SIerへの就職とエンジニアについての私見

私はIT業界にいたのです

 まず、私は恐らくIT業界に戻ることは当分無い、というか、年齢を考えると一生無いかもしれないし、その可能性の方が高いと思います。20年近く、IT業界で営業と少しエンジニアもやりましたが、今でこそ、思い出になっている内容ですら、うつ病の最盛期にはフラッシュバックがひどくて、一日体が動かない、みたいな事を引き起こす記憶だったのです。
とは言え、最近は記事を見ることはできるようになったし、過去を過去として理性で時間軸を作ることができるようになってきました。それでも当時の人間関係は遮断しています。

SIerに憧れる人がいるという不思議

そんな中、こんな記事を見つけました。まぁ、びっくりですよね。直近で務めていた会社は正に中堅のSIerだったのですが、内情は人月商売に明け暮れる会社でした。

2019/06/24 05:00木村岳史の極言暴論!就活生が「大好き」なSIer、なのに若手がボロボロ辞めていく理由

"SIerの幹部からSIer大好きセグメントに対する分析を聞いているうちに、当初腰を抜かしそうになっていた私も「なるほど」と納得してしまった。本人だけでなくその親もSIerへの就職に満足しているなら、第三者がとやかく言っても仕方がない。それに同じ人月商売のIT業界であっても多重下請け構造の元締企業なら、モンスター客にでも遭遇しない限り悲惨な目に遭う心配も少ないからね。"(上記リンクより引用)
 この方の記事はたまに見てました。まぁ、なんていうかちょっと勢いと感情で書いている感じとか、内容の濃淡がひどかったりってのはあるんですが、内容がリアルタイムな感じはあって、部分的に参考になります。で、こんな「SIerが好き!」なんて就活生もいるんだ、というのが驚きでした。

私はSIの営業が嫌い

 内容はリンクを見ていただければわかるし、実際、IT業界にいればわかる話ばかりです。私は自社開発パッケージソフトウエアの販売(直販と代理店開発)、一次代理店、二次代理店としてのパッケージソフトウエアの販売(こっちも、直販と代理店)パッケージソフトウエアを中核としたコンサルティング営業(コンサルタントを売り込む)ということをメインにIT業界で営業をしていました。実際に、システムインテグレーションを一から請け負うという営業、例えば、販売管理をシステム化したいのだけれど・・・とか、生産管理業務をパッケージソフトを中核にカスタマイズでシステム導入したいのだけれどぉ・・・とかそういうお客様から受注する仕事をしてた時は、だいたい上流の設計業務だけでした。
 
 なんでかというと、下流に行けば行くほど、要するに下流工程の実装段階への人月商売になればなるほど、利幅が狭い上に、リスクが上がっていくのがわかったからです。
大手のSIerは、よくこの辺を全部自社で請け負っている感じで、当時「ワンストップソリューション」みたいな話もありましたが、内情はそんなことはなかったですからね。色々話すと長いのでなんですが、ともかく営業としては、手離れが悪く利幅が狭い上にリスキーというイメージでした。だから、嫌いだったんだよね。
 でもエンジニアという人種は、技術を追うのが好きだから、そこに最新の何かを求めてみたり、スキルアップを求めてみたりするんだろうな、というのもわかります。ただ、これも殆ど無いです。ってか、正直、今現在ご活躍中のPM(プロジェクトマネージャー)という職種自体も、私はもう古いんじゃないかしらと思うくらいなので、あの現場感はすでに化石時代のものだろうと思います。

パッケージで解決しなかった日本のIT

 日本のITは、まずパッケージを素直に入れれば客が納得するなんてことは無いです。これは業務系システムに限って言えば、ですが。セキュリティとかそういう商材は違います。利幅もいいし、カスタマイズはまず発生しないです。ただ、競合にあっという間に食われるという、弱肉強食感がすごいところではあります。
 ともかく、日本の商習慣をベースにITを話し出すと、結局のところ「御用聞き営業」から離れられなくなるように、ビジネス全体が動いてんだよね。文化です。現場が強い文化。だから、SIerの方々から若い頃から随分と苦労話を聞かされましたが、今考えれば、バカバカしい話です。

ITエンジニア

 それと日本でのITエンジニアって、どんな人なのか・・・っていうのもあると思います。所謂、「GAFA」のイメージで、テクノロジで世の中変えようぜ、みたいな、そういうイメージあるかもしれませんが、SIerのエンジニアは違います。どう違うか、というと、よく私達が言ってたのは、SIのエンジニアは所謂スーツをキている土方です。(すみません、土方を差別しているつもりはないのです。実際、土方の方が、給料良い、免許持ってて、色んなところで働ける・・・とかメリットが多いくらいに思っています。)よく、「デジタル土方」とか若い頃いってました。
 
 情報産業自体は、そもそもが、「人の作業を機械化して効率を上げ、経費を下げる」というのが大前提なので、人月商売だの、PMの力が、とか、そういうへんてこな江戸時代の大工と棟梁みたいな話じゃないのです。

 私は、若い頃たまたま日本語ペラペラのアメリカ人エンジニアの方が上司で働いたことが、短い期間ですが、ありました。今から16年前です。その方はインドからも優秀な人を招聘したり、今で言うIPSの元祖みたいな、Snortの研修を本部の人を日本に招いて受けさせてくれたりした人でした。
 でもめちゃくちゃ、テクノロジオリエンテッドで、怒られまくりましたしクビにされそうになりました。厳しい。それと、早さ。スピード感とロジカル感が全く違う。
元々、某超大手IT企業(アメリカです。HALの会社です。)とか、銀行(ゴールドマンなんとかとか)、そういうところでネットワークスペシャリストとして活躍してた人でした。なんでかな・・・と思ったけど、まぁ、人は迷うものなんですね。その人も気の迷いで日本に来たんだろうな。
 私は数カ月で降参。でも、うつ病とかならなかったなぁ・・・。で、そのタイミングで全然違う理由でその方は退職します。あっという間の出来事でしたが、私の中では、あれがエンジニアだという思いが消えない。

日本にいても仕方ない

 日本はIT、所謂、情報技術を戦略的に使うことが下手くそとよく言われます。というか、すでに、クラウドという言葉を聞くだけで、もうこの業界は日本は何もできないと思ってしまうぐらいです。
 私は大学の頃、文系なのに情報系の学部にいまして、そこに恩師がいました。その人は中国の大学に客員教授にもなってたり、IPAに関わってたりしてたので、情報がいろいろ入ってきました。
その先生と、10年ぐらい前、飲んでた時言われたのが、
「もう、ITやめたほうがいいよ。無理だって。日本じゃ。」
って。中国の力を定期的に目の当たりにして、更に普通に考えて日本のITが既に閉鎖的(ガラパゴス化)しているのを感じていたので、そう言われました。今思えば、手段と目的を履き違えるという、日本の戦争の時の失敗みたいな話をここでも繰り返しているんですね。
 まぁ、その数年後、私は病気になったりして、今となってはもうITはユーザー側になっているわけです。

知るスピード

 エンジニアには、これが不可欠です。積み重ねる・・・というより、ともかく必要な知識と以下に早く身につけ、「他のエンジニアより先に行けるか」ということ。だから、変態でも良いんです。ちょっと常識なくても、仕事がメチャクチャ早かったりするでいいのです。人間的に欠損があっても、その使い方がわかればいい。
好きな言葉で、
「天才とは完全なる客観性」
という言葉がありますが、私の中では、エンジニアというのは正にこれです。

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