2008年9月13日

後悔と決断について(テルモの値下がりでおもったこと)

投資家のできる最大の努力の一つとして、「過去の失敗から学ぶ」という話を聞いた。投資に限った話ではないし、今考えていることが、失敗なのかというと、正直まだ分からないが、迷いが多いので、ここにまとめておこうとおもう。

最近、投資判断をする以前の話で、何をよりどころにしたら良いのか迷うことが多い。「相場」と「ビジネス」だ。この2つはまるで別のものではなく、お互いはお互いが合って成立している。だからこそ、迷うことが多いのかもしれない。
ウォーレン・バフェット氏は、相場のことを「ミスター・マーケット」と呼び、神経質に毎日「あれがあがったこれが下がった」と報告してくれる人物になぞらえた。彼は、ミスター・マーケットの報告に一喜一憂してはいけないと言っている。また、ジョージ・ソロスは、市場は間違えるといっている。現在の経済環境を紐解く理論の元には、効率的市場仮説や、ランダム・ウォーク理論などがあり、どれもこれも相場は必ず収斂するのだ、という思想に基づいているが、それは間違いだといっている。そして、「再帰性」という考え方を市場で実証したいといっている。市場は勝手に進んでいるものではなく観察者は参加者でもありえる上に、参加者の思惑は市場に影響を及ぼすので正確に観察することはできない、というのだ。

こうした理屈におぼれてしまい、ついには「何が正しいのか」自分の中でまったく、分からなくなってしまった。今の経済環境は下げ一辺倒か、と思いきやそうではない銘柄もたくさんあるし、経済環境だってどの業種も一様に下げているわけではない。良い例がアメリカの輸出産業の好調さなどだ。その中で、テルモは非常によくがんばっていた。ピジョンについても同様で、相場が下げるほどに買われていた。

  • テルモは、6300円から、この1週間程度で5650円まで値を下げた。「もしも」、6300円で売って、今買えば、儲けが出ている。
  • 昨日は、ECの景気の悪さが為替にモロに出ていた。1ユーロは140円台に突入。テルモは売上の20%をヨーロッパに依存していることもあって売られた。
  • そもそもの配当利回りが下がりすぎているという見方もあった。5700円前後で約0.55%。インカムゲインが見直されている状況では、もっと配当利回りの良い銘柄はある。
  • しかし、テルモのPERは30倍を大きく超えることはなく、それほど強烈な「割高感」は無いと思っていた。
  • 自分で計算した理論株価は、6300円だった。

結局、6300円で売ることができなかったことが、今回の大きな後悔の元なのかもしれない。自分の決断の弱さをよくよく感じる。

  • 6300円で売って、今、また買い戻せていれば?
    • 「これ以上下がらない」とおもって、買い戻すことができたか?
  • 6300円で売っていて、今はもっとあがってしまい、買い戻すことができないほどになっていたら?
    • 相場全体が下がっているときでも、しっかり値をつけていた銘柄だから、相場の流れが当てにならないかもしれない。
  • これから、5650円から値が戻らなかったら?

「株と結婚するな」とはよく言ったものだ。都合の良い相手として付き合って、お互いの道を歩むがごとく、お別れすることもあるかもしれない。その後、相手が大成功を収めても、「俺の成功ではないのだ」と冷静に理解する大きさが必要なのだろうか。

株式相場の話をしていると、「奥が深い」という言葉がよく出てくる。結局、そうとでも思わないと、「大きなことにかかわっている」「奥深いことにかかわっている」とでもおもって自分を保ち続けないと、こんなの毎日続けられないよね。

ここまで書くと、次のステップが何となく見えてくる。「何をすればよかったか」ではなく「次は何をするか」って方向を見据えることだ。これがまた、難しい。自分の決断のプロセスを呪いたくなる。